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2017-06-17

シンガポールに生きる女性たち:Christina Teo(クリスティーナ・テオ)さん(後編)

シンガポールで出会ったさまざまな女性の生き方をご紹介するインタビュー"シンガポールに生きる女性たち"

多種多様な人種がひとつの国で共生する多民族国家シンガポール。こちらの企画では、その中でも国籍や民族、育った環境など様々なバックグラウンドを持ちながら、何かしらの理由でシンガポールを選び、現在シンガポールで活躍している日本人以外の女性に焦点を当ててインタビューを行っています。

Christina Teo(クリステーナ・テオ)さん 53歳
シンガポール出身・シンガポール在住
■職業・肩書き:Founder of Startup Asia Women/ Corporate Women ■これまで住んだことのある国(都市)と年数:シンガポール約26年・台湾3年・パリ3年・ミラノ2年・香港約20年■話す言語:英語・中国語・フランス語■シンガポールに戻ってきたきっかけ:高齢になってきた実母と何かあった時に安心な母国シンガポールで暮らすため■家族構成:母(シンガポールで一緒に生活中)・夫(香港とシンガポールの遠距離婚中)

Girls Bee Online- Profile Pics

今回お話を伺ったのはChristina Teo(クリスティーナ・テオ)さん。現在はStartup Asia Womanという女性のスタートアップを支援するコミュニティ、そしてCorporate Womanという企業で働く女性、特にエグゼクティブ・ビジネスリーダーとして企業で活躍するハイポジションの女性を支援するコミュニティ、二つの非営利のコミュニティを立ち上げ運営されています。シンガポールで生まれ育ちながらも、若い頃から海外への憧れが強く、社会人になってすぐに海外でキャリアをスタートさせたChristinaさん。台湾、フランス、イタリア、香港、そしてシンガポールでキャリアを積み、Acerでは史上初(かつ女性初)のインターナショナルマーケティングの責任者、またYahooではシンガポールで初(かつ女性初)のゼネラルマネージャーなども経験。輝かしいキャリアを積まれた一方、41歳で突然、しかも大金のボーナスを目前にして、突如キャリアを離れ『自分と結婚してくれる人(Christinaさんの言葉をそのまま引用)』を探しにニューヨークへ。ニューヨークでは学生生活をしながら、人格ごと変わってしまったかのように新しい人生を歩み始めます。紆余曲折ありながらも、当初の目的通り結婚相手を見つけ結婚(!)。その後、香港を中心とした結婚生活を経て、昨年2016年から高齢のお母様と一緒に暮らすためにシンガポールに戻ってこられました。

このイントロだけでまるでドラマのようなChristinaさんの人生。これまでのこと、お仕事のこと、プライベートのこと、そして現在のこと、これからのこと、たくさんの示唆に溢れた体験談やご自身のお考えをお話いただきました。余すことなくお伝えすべく、今回は前編に続く後編です。どうぞお楽しみください!

築いたキャリアをまっさらにして突如『夫探し』にニューヨークへ

Mana:(前編でご紹介の通り)文字通り世界を股にかけるキャリアウーマンとして輝かしい活躍されてきたChrisitinaさんがある日突然、積み上げたキャリアを置いて『夫探し』にニューヨークに行くことになったわけですよね?!その時のことをもう少し詳しくお聞かせいただけますか。

Chrisitina:私がちょうど40歳だった時、先ほどお話した世界初のWindows Smart Phoneのローンチの仕事に携わっていました。その仕事がひと段落し41歳になった頃、当時の会社の社長から「Chrisitina、次はこのSmart Phoneをローンチするからよろしく!」と言われました。その時に自分の中でハッと目覚めたような感覚があったんです。

確かに目の前の仕事は面白い。でもこのままビジネスの世界にいたら、次から次へと新しい商品、新しいサービス、新しいテクノロジーに関わることになる。終わりがない。これは今の私が求めている人生じゃない・・

そう思ったら自分の中の何かがプツリと切れてしまいました。大金のボーナスがあと数ヶ月いれば手に入ったところ、それを受け取らずに会社を辞めました。そして大学で心理学の勉強をするという名目でニューヨークに行くことにしました。

Mana:なぜニューヨークだったのですか。

Christina:ドラマの”Sex and the city"を見て、ニューヨークに行きたい!ニューヨークで、私と結婚してくれる旦那さんを見つけたい!と直感的に思いました。友人からは、”Sex and the city”を夢見てるなんて馬鹿らしいとか、どうせすぐに帰ってくるだろうとか、ニューヨークで結婚相手を見つけるなんて非現実的だとか散々言われました。それでも私は行きたかった。なので、ニューヨークに学生として渡り、そこで4年ほど暮らしました。

Mana:ニューヨークではどんな生活を送っていらしたのでしょうか。

Christina:ニューヨークでの生活はとても楽しいものでした。私はニューヨークでの生活では、自分自身のこれまでのキャリアや仕事のことについては一切話をしませんでした。誰に言われたわけでもなく、自分でそうしたいと思ったのでそうしました。これまでの私のことを知っている人が誰もいない中での新しい生活。本当にそれまでの自分とは全く別の新しい人生が始まったかのように、自分の性格までもが全く変わってしまいました。というのも、それまでの私は仕事が全て。人間関係においても、仕事に関わることしか興味がなく、人と仕事以外の場での個人的な繋がりを求めるようなことは一切ありません。それがニューヨークに引っ越してからは、まるで何かスイッチが切り替わってしまったように、いろんな場所に顔を出して、いろいろな人たちとネットワーキングするようになりました。ニューヨークでは、長期滞在をするためにニューヨーク大学の心理学の修士コースの学生をしていました。でも私の目的は『夫を見つけること』だったので勉強は最低限に(笑)。ニューヨーク毎晩のようにレストランやバーでパーティがあって、人と人たそうした場で出会い、仕事を一緒にすることになったり、プライベートで親しくなったりするということが日常茶飯事な環境です。これまでいた世界とはまた違った意味でエキサイティングな生活を満喫していました。

Mana:そして結論から言ってしまうと、見事ニューヨークで旦那さまを見つけたわけですよね?どうやって出会われたのか、お聞かせいただけますか。

Christina:現在の夫とは、そんな毎晩パーティ三昧の日々の中で出会いました。友達から招待されたあるプライベートパーティに参加していて、深夜1時ごろ、私は友達数人とそろそろ家に帰るためにパーティの場を後にしようとしていた時でした。そんな時に夫と友人がパーティ会場に入ってきました。後から聞いたら、彼とその友人はそのパーティの招待客ではなく、パーティに飛び込みで参加してきていた人たちだったことがわかりました(笑)。彼は、私とは真逆の内向的な性格で普段はそういうパーティには顔を出さず家で過ごすことが好きな人。でもその日は友人にどうしてもと誘われて外出することになり、その流れで私が参加していたプライベートパーティに飛び込むことになったそうです。私は帰宅すべぐパーティ会場を去ろうとダンスフロアを横切った所に彼がそこに入ってきました。そして彼に手ををとられて一緒に踊ることになりました。

Mana:ドラマみたいですね!!

Christina:そうですね。でも本当にそんな出会いでした。その後夜遅くまで一緒に踊って、その後彼から電話番号を聞かれて。そこから関係はスタートしました。

Mana:その後どういう経緯で結婚に至ったのでしょうか。

Chrisitina:彼と出会ったのは私がニューヨークに住み始めて2年ほどの頃でした。ここからの経緯を話すとなると長くなりますが、彼は先ほどもお伝えした通りシャイな人なので、いつも電話ではなくメッセージでやり取りをしていました。当時私は40代前半。40代の女性で当時の私のようにこれまで結婚したことがなくて、でも結婚に対してオープンな場合、誰か特定の相手がいるとその相手と結婚にすることにものすごく執着してしまうことがあると思います。私自身がそうでした。それもあって彼との関係も上手くいく時期行かない時期、頻繁に会う時期会わない時期というのがありました。そして彼のことを"Boyfriend"と呼べるのかわからない時期も。そんなどっちつかずの時期が長く続いていた頃、香港のある会社から連絡がきて、CMO(Chief Marketing Officer)をやってほしいから香港に戻ってこないか、というオファーがありました。その頃ニューヨークに住んで4年ほど経っていて、彼とのどっちつかずの関係に疲れていたこともあったし、一度区切りをつけて仕事に戻ろうと思い、ニューヨークを去って香港に戻りました。そして香港に戻ってからも、彼とは連絡を取り続けていて、私が香港に戻って9ヶ月後、彼も香港に来ることに、そして結婚することになりました。

Mana:そんな紆余曲折があってのご結婚だったんですね。結婚式はどちらで挙げられたんですか。

Chrisitina:結婚式はシンガポールで、ボートの上と、セントーサにあるリゾートで、家族と本当に親しい友人だけを招待して結婚式を挙げました。夫はエクアドル人なので、エクアドルから家族が来たことはもちろん、アメリカからも友人が来て、私はこれまでいろんな国に住んでいたこともあって世界中から親しい友人が集まってくれました。一人一人の友人が自分たちにまつわるスピーチをしてくれるたびに泣いて(笑)でも本当に人生の中でもっとも心に残る日でした。

仕事と結婚、人生を豊かにする経験

Mana:結婚が決まってから、Chrisitinaさんは新しく香港でスタートしていた仕事をまた離れることにされたんですよね。それはどうしてだったのでしょうか。

Chrisitina:彼との結婚が決まってから、CSL Hong KongでのCMOの仕事は辞めることにしました。というのも、私自身の性格上、仕事をするととことんやり切らないと気が済まない性格なのは自分でわかっていたので。それを考えると、当時の仕事はその会社の利益の半分を担う部署の責任者だったのですが、そんな責任の大きい仕事をしながら、結婚生活をするのは自分にはできないと思いました。なので仕事はさっぱり辞めて、妻として、彼との結婚生活を楽しむことを選びました。

Mana:仕事を辞めることに迷いとか、心残りはとかはありませんでしたか。

Chrisitina:不思議とそれはありませんでした。というのも結婚生活を含め、誰かと深い関係を気づくためには、時間使って関係を育てることが必要だというのが私の考えです。深い人間関係、愛のある関係を築くことは人生の経験の中でかけがえのないこと。そのためだったら、自分自身だけのことや仕事のことから一定期間離れたり、場合によっては諦めたりするのは価値のあることだと私自身は思っています。またそういう経験があるからこそ、自分が『生きている』ことを感じられるし、同じような経験をしたひとたちの気持ちもわかるようになって、人生を豊かにしてくれると感じています。

子どもを持つこと持たないこと

Mana:これまで持っていた輝かしいキャリアを置いてまで結婚生活は手に入れたかった、というお話でしたが、これまでに子どもを持ちたいと思ったことはありましたか。

Christina:それは実は一切ありませんでした。まだ20代・30代だった頃から自分の人生にとって一番大事なことってなんだろうといつも考えていました。特にいつも地域を統括するような仕事が多かったので、出張中の飛行機の中、移動時間にそんなことを考えることが多かったように思います。その中で気がついたのは、自分にとっていちばん大事なのは『Freedom -自由がある』ということ。そしてそんなことを考える時間があるのも、自分が自分で自分のことを決めて行動できる『自由』を持っているからだ、ということに気がつきました。子どもを持つとそれはどうしても難しくなります。それが自分にはわかっていたので、子どもを欲しいと思ったことはありません。

シンガポールに戻ってきた理由、そしてシンガポールで新しく見つけた”道”

Mana:シンガポールには昨年2016年に戻ってこられたんですよね。ご高齢のお母様の面倒を見るためだと伺いました。Christinaさんの意思ではなかったのでしょうか。

Chrisitina:シンガポールに戻ることにした一番のきっかけであり理由は、母のことです。父は早くに亡くなりました。一方、母とは昔から仲が良く、私が色々な国で生活をしていた時にもよくそれぞれの国に来て長期滞在をして、一緒に過ごして来ました。ただ、母が高齢になって来て、万が一何かあった時に医療やそれに関わる保険等のことを考えると現実的にはシンガポールに戻った方がいいだろうと考えるようになりました。でも、私自身はシンガポールに仕事があるわけではありません。でも何もしないのは人生の無駄遣いのように感じるし、何か意味のあることをしたい。シンガポールに戻ることを決めた時点では、自分自身がシンガポールで何をするのか全くプランもアイディアもありませんでした。

Mana:そんな中、どのようにして、Startup Asia Womanというコミュニティを作ることになったのでしょうか。

Christina:どこからともなく”Startup”という言葉を耳にしました。なんとなく面白そうだなと思いながらも、それがなんなのかは全く知らず、何もわからないまま。そんな中で去年シンガポールで開催されたSlash Asiaに参加しました。参加する直前になって、参加するのが面倒になるぐらいなんの期待もなく、チケットも買ってあったしということで半ば仕方なしに足を運びました。そしたらびっくり。そこで見たもの、聞いたもの、全てが素晴らしくてエキサイティングで。本当に新しい世界に足を踏み入れたような感覚でした。そこからStartupについてリサーチを始めました。そして、いろんなスタートアップの起業家に話を聞いていると、一つ大きな気づきがありました。それは、私自身は自ら会社を起こした経験はありませんが、いつもこれまで所属していた大きな会社では、新規事業の立ち上げや自分以外誰もメンバーがいない部署への配属等を何度も経験していました。自分のそうした経験が、現在スタートアップを経営している起業家やそのメンバーの力になれることがたくさんあるということに気がついたのです。まさに自分自身が探していた『意味のあること』を見つけた瞬間でした。そういう起業家に個別に支援をすることもできますが、組織にした方がより協力関係やインパクトを作りやすいと考えました。シンガポールには、色々なスタートアップに関連する支援団体や仕組み、またコミュニティがあるものの、女性のスタートアップに特化したコミュニティはないことに気がつき、そこでStartup Asia Womanを立ち上げることにしました。

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Christinaさんが主宰されるStartup Asia Womanのことが最近ニューヨークの新聞”THE Epoch Times”に取り上げられた

新しいチャレンジと、歳を重ねるということ

Mana:Chrisitinaさんがたくさんのビジネスでの経験を持っていらっしゃることは誰が見ても確かですが、それでも”Startup"という分野については全く未経験で新しい分野ですよね。そうしたことに取り組むのは勇気がいることだと思うのですが、怖いとか不安とかそういう気持ちはありませんでしたか。

Chrisitina:もちろんありました。これまでして来た大企業での仕事で怖いと思ったことは一度もなかったのに、この”Startup”という分野で何か取り組みたいと思い始めた頃は怖いと感じる場面がたくさんありました。特に私は今53歳。Startupは20代30代を中心にした若い世代の人たちが活躍している分野です。そんな分野に自分が今から関わるなんて、自分自身の年齢のことや、人からどう見られるかをあまり気にしすぎたら何もできません。それでも、私自身は先にもお伝えしたように自分がこれまでの経験を活かして社会に対して意味のあること、貢献できることがあると強く感じています。だから、怖いと感じたら、自分は何を恐れているのかを考えること。それがわかれば、対処する方法がわかります。もし”わからない””知らない”ということが怖いのであれば、一つ一つ足を踏み入れて知ろうとして、学んでいけばいいだけ。一方でこれまでにも常に新しいこと、自分がそれまで知らなかった分野のことに取り組まなければならないことがたくさんありましたが、歳をとるごとに、そういう新しい分野にキャッチアップするスピードは速くなっているように感じます。それは多分これまでの経験一つ一つが点と点になって線になって繋がっていくことで、新しいことを学ぼうとしてもこれまでよりも早く全体を把握できるようになっているんだと思います。そういうことは、歳をとったからこそのメリットかなとも感じています。

人生の進め方。計画は作らない。でも方向性は決める。

Mana:Chrisitinaさんがこれまで、そしてこれからの人生を進める上で、大事にしている考え方はありますか。

Christina:ひとつ言えるのは、これまで『計画』を立てたことはなかった、ということです。人生に対して、細かく計画を立てるのは好きではありません。でも『Direction-方向性』は常に決めるようにして来ました。あまり細かく計画を立てても、その通りにいくことはあまりないように思います。とは言っても何の意味や目的もなく人生を歩むのはもったいないことです。だから、大きな意味での人生の目的や価値、そして大きな方向性をその時その時で見出しながら人生を進むというのが私なりの人生の進め方です。

現在取り組んでいること、そして次なる挑戦

Mana:今現在取り組んでいることに関連して、これからの課題などはありますか。

Chrisitina:そうですね。まずは今運営しているStartup Asia Womanを次のステージに持っていきたいと思っています。2016年12月にこのコミュニティを立ち上げて、最初はイベントを何度が開催をして来ました。これは、どんな人たちがこういうコミュニティに興味を持ってくれるのか、そして参加してくれる人たちが何に興味があるのかを私自身が知るためのリサーチの意味もあって取り組んで来ました。この半年の間にも様々な取り組みを行ったおかげで、コミュニティの知名度も上がり、他のスタートアップに関連するコミュニティや企業などとのコラボレーションや、いろいろなところでStartup Asia Womanの名前を出してもらえたり、紹介されるということが増えて来ました。先ほどお伝えした通り、私自身、自分が取り組むことに意味や目的を求める人間なので、ここからはよりこのコミュニティの価値を上げるべく、実際にスタートアップ企業を経営している女性経営者たちと深く関わり、それぞれの企業が次のステージに進んでいけることに深く関わっていきたいと考えています。そのためにどんな機会が作れるか、それを今具体的に考えながら進めています。それから今年2017年の4月に立ち上げたCorporate Womanというコミュニティ。こちらは、企業で働く女性、特にエグゼクティブ・ビジネスリーダーとして企業で活躍するハイポジションの女性を支援するコミュニティです。こちらの活動もより活性化させながら、Startup Asia Womanとのコラボレーション効果も作っていく予定です。

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Christinaさんが主宰されるStartup Asia Womanのイベントの様子

Mana:Chrisitinaさんはこうした現在の活動を非営利でやっていらっしゃいます。人によってはこうした仕組みを作ることをビジネスにしている人もいると思うのですが、どうして非営利でなさっているのでしょうか。

Chrisitina:スタートアップ企業の経営者や立ち上げメンバーと話をしていると、大企業のように潤沢な予算がなかったり、資金的にある程度限られたリソースの中でビジネスを最大化しなければいけないという状況にある会社がたくさんあることを感じます。幸い、私個人は、これまでに自分自身が稼いだお金と、そのお金を使って投資している不動産などを含めた一部の金融資産があるので、今自分の生活費を稼ぐために働く必要が今現在はありません。なので社会へ還元するという意味でもこの活動は非営利でやることにしています。一方でもう一つ運営しているCorporate Womanの方は大企業と関わることが多いので、今後その二つのコミュニティーのコラボレーションの機会をつく中で、何か少しずつマネタイズできることがあればとも考えています。

Mana:現在取り組んでいること以外で、Chrisitinaさんとしてこれから取り組んでいきたいことは何かありますか。

Christina:そうですね、自分でスタートアップ企業を経営するというのはこれからやりたいと思っています。現在私はコミュニティを通してスタートアップ企業を支援する立場にありますが、自分自身はスタートアップ企業を経営した経験はありません。もしその経験があれば、結果的にこのコミュニティもよりスタートアップ企業にとって有益なものにできると感じています。それがこれからやりたいことでしょうか。この歳になっても世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあって、学ぶことがたくさんあると最近改めて感じています。

いかがでしたでしょうか

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Chrisitinaさんのインタビュー、いかがでしたでしょうか。この文章の中で私がどこまで表現できたかは定かではありませんが、Chrisitinaさんには私自身たくさんのインスピレーションをいただきました。これまで築いてこられた大企業での仕事の中で仕事に臨んできた姿勢や考え方のことはもちろん、個人的には恋愛や結婚、そしてChristinaさんが現在されている新たな挑戦に対する考え方からたくさんのインスピレーションをいただき、本当に私自身、世の中の見え方、そして自分の人生の捉え方が全く変わりました。

Chrisitinaさんのお話を伺っていると、仕事も結婚も諦めなくていいこと。世の中からどう思われるとか、年齢だとかに関わらず、自分が『今だ』と思ったタイミングで動けば、求めていることは手に入れられる、ということ。一方で、自分が自分自身のことに夢中になっている時期、仕事に集中したいと思う時期、自分の好きな国に好きなように住みたいと思う時期、そういう時期は無理して誰かと関係を作る必要はないこと。そして、本当にこの人だと思えるような関係を見つけたら、自分自身だけのことや仕事は、ちょっとの間中断したり離れたり、場合によっては諦める価値のあるぐらい、本当の意味での愛のある関係を作るということは人生の中のかけがえのない経験だということ。。全てを経験されたからこそのChrisitinaさんの言葉には強い重みと説得力があります。この記事を書くために録音したインタビュー中の会話を何度も聞きながら、一つ一つの言葉が自分の中に響いてきて、何度も涙が出そうになりました。

日本人の一般的な感覚からすると30歳を越えると、新しいチャレンジをすることを恐れたり、周りからどう見られるかということをより気にし始める傾向があるように思います。また結婚や子どもを持つといったライフイベントのこともリアルな現実として考えるようになってくるタイミング。私の中にももちろんそういう感覚はあります。でもChristinaさんのお話を伺ってから、歳をとることに対する漠然とした不安や恐れみたいなものがほとんどなくなってしまいました。仕事も、プライベートも、自分が『こうしたい!』と思ったタイミングで動けばいい。一方で、Chrisitinaさんがこれだけ自由に自分の人生を歩めるのは、経済的な自立と自由があるからだということも現実として感じました。(インタビュー記事には詳しく書きませんでしたが、Chrisitinaさん自身はこれまでにシンガポールや香港、ニューヨークなどに不動産を購入し、一部は(大損したとおっしゃっていましたが笑)売却、一部は現在も保有されています)

こちらの記事を読んでくださった日本の女性が、世の中からの見られ方や年齢といった条件に縛られることなく、本来もっている自身の個性や素晴らしさを最大限に発揮した生き方ができるようになること、そして社会との繋がりと女性個人としての幸せの両方を得られることを切に願います。

インタビュアー・文責:小川麻奈(Girls Bee 代表)

Girls Bee Onlineでは、国籍や民族、育った環境など日本人とは異なるバックグラウンドを持った女性たちが、どんなことを考えて、どんな生き方を選んでいるのか、インタビューを通してお伝えしていきます。これを読んでくださっているたくさんの可能性をもった日本の女性のみなさんに、何か感じてもらい、それぞれの人生に取り入れられるよい部分を見つけてもらえたら、とても嬉しく思います。ご意見・ご感想等ありましたら、ぜひコメント欄もしくはメールでお知らせください。またGirls Bee Onlineではオンライン記事の寄稿等ビジネスコラボレーションも受け付けています。ご連絡は下記emailまで。(Contact: girlsbee2010@gmail.com)

 

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